省エネ計画の届出義務
届出の忘れや虚偽の届出で罰金?
いよいよ今年2019年(平成29年)の4月に本格スタートする「建築物省エネ法」についての「申請者向け説明会」が全国各地で行われています。今回はそこで配布されている複数資料のうち、ひとつをご紹介します。
現行の「省エネ法」および、今年の4月から一本化される「建築物省エネ法」において共通していることではありますが、300㎡以上の建築物の新築、増改築には「省エネ計画の届出義務」というものがあります。この届出義務は約7年前の2010年(平成22年)4月から開始され、戸建住宅や小規模の建物以外の設計を主としている設計者にとっては、既に常識として設計業務の一部になっていることかと思います。とはいえ、初めて業務に取り組むという設計者も大勢いることかと思いますので、「届出義務」について改めて補足させていただきます。
この配布資料にもあるように、届出の義務を怠った場合や、虚偽の届出をした場合で、工事に着手してしまうと、「50万円以下の罰金」が課される場合があります。なので「知らなかったことにして工事を始めてしまおう」とか、「良くわからないからとりあえず期日まで適当に記入して出しておこう」という意識のままでは、罰金を科せられても仕方がありません。
「面倒な届出をして工期が遅れるくらいなら50万円以下の罰金くらい構わないよ」という意識の建築主も稀にいるかもしれませんが、建築主の依頼を受けて業務を行う設計者にとって、罰金を科せられるようなミスは、プロとして信用面で致命的なものになっていくことでしょう。適合義務のない規模の建物でも、省エネ計画の届出は見逃さないように注意しましょう。