建築物省エネ法説明会:2018冬
全国で説明会が追加開催されています
2017年(平成29年)4月に建築物省エネ法が完全施行されてから、もうすぐ1年が経とうとしています。通常の設計業務のなかで「省エネ適合性判定」や「届出義務」という言葉自体は既に定着してきているように感じていますが、普段は300㎡未満の建築物や戸建住宅の新築やリノベーションの設計が中心だという設計者にとってはまだ馴染みのない制度だという方も多いのではないでしょうか?
また、「建築物を省エネ化していくことにメリットがあるのは理解できるけど、それを法律にして義務化するのってどうなの?」とか、「地域性とか建築の多様性が失われるのでは?」とか、「そもそも高気密高断熱だけが本当に省エネという考え方はおかしくない?」などのそもそもの反対意見も根強くあり、設計者としてこの制度に積極的に対応したいという気が起きないという心理が働いている場合もあるかと思います。
とはいえ2017年(平成29年)4月から既に法律で決められている状況ですので、実際に届出義務や省エネ適判の対象となる物件を設計する際には、たとえ強い反対意見があっても設計者として誠実に対応する必要があります。またそもそも反対意見があるという以前に、どのような内容かまだ全く知らないという方がいることを想定し、制度周知するのを目的に、国土交通省は全国で無料の説明会を開催しています。詳細を知りたい人は国土交通省の建築物省エネ法のトップページに案内がありますので、そちらをご覧ください。
国土交通省はこれまで何度も全国規模の無料説明会を開催していますので、すでに何度か行ったという方もいるかもしれません。しかし今まで一度も出席したことがないという方は、様子見でもいいのでぜひ一度足を運んでみてください。全国の定員数100〜350人の大きな会場にこれから省エネ計算に対応しようとする設計者をはじめ多くの技術者達による勉強意欲を感じられることと思います。
また、WEB上でダウンロードし閲覧できる省エネ計算に関するマニュアルなどは本として広く一般的に出回っているわけではないため、製本された最新版のマニュアルも無料で手にすることができるいい機会となっています。
ただ説明会の内容は制度上の最も基礎的な内容が主題となりますので、説明会の説明を聞いただけで全ての用途での省エネ計算ができるようになるというわけではありません。事務所に持ち帰り、マニュアルなどで勉強し実際の計画で経験を積んでいく必要があることを忘れてはいけません。また特殊な設計をする場合には、それなりの経験による見識眼も必要になります。
自分で計算を行う方に限らず、専門的な分野は代行したいと考えている方にとっても、「建築物省エネ法」や「省エネ計算」がどのようなものであるかを知る上で、国交相の主催する無料説明会に出席することは有意義なものになると思います。