代行による効率化のすすめ

2017年9月21日

初めて省エネ計算を行う設計者へ

今まで省エネ計算の届出の経験がなく、初めての業務でどんな書類を用意すればいいのか全くわからないという意匠設計者も多くいることと思います。

一定規模の計画では省エネ計算の届出義務が全国一律に課せられており、ただでさえ作業量が多い設計者はさらにその対応をしなくてはなりません。そして国土交通省の研究機関である建築研究所のサイトのページから進める無料で使用可能なWEBプログラムを使用すれば、建築士に限らず、誰でも計算が可能ということになっています。

確かに、そのWEBプログラムを試用しながらマニュアルや参考資料などを頼りに、外皮計算や一次エネルギー消費量の計算を一通り経験することで、ある程度要領をつかむことは不可能ではありませんので、省エネ計算に初めて挑戦してみようという方は、最初に建築研究所のサイトを初見してみることから始まります。

建築研究所 建築物のエネルギー消費性能に関する技術情報
建築研究所内の建築物のエネルギー消費性能に関する技術情報のページ  http://www.kenken.go.jp/becc/

直感を大切にする意匠設計者の中には、そのシンプルなページは文字ばかりであまり親切なページではないなとか、専門的すぎて面倒くさそうだなとか、そもそもこの法律は本当に意味があるのか?などで第一印象から敬遠してしまう方もいることと思います。その場合、自分が信頼する直感を無視して逆風に積極的に挑んでいかなくてはならないのですが、具体的な物件がある場合には時間的な制限もあり悠長に勉強をするわけにはいかないということもあります。

また一度経験し要領をつかんだからといって、計算要領を覚えているうちに同じような規模と用途の建物の計算をする機会が続いて訪れるとは限りませんし、法規制や省エネ基準、WEBプログラムはかなり頻繁に更新されていきます。半年も経てば前回と同じような計算方法で次回も対応できるという保証は全くありません

また、苦労して体裁を整えて届出をしたものの、その後行政からの容赦ない専門的な指摘に対応できず、結果的に後から設計変更が必要になってしまい、コストアップや工期の遅れなどの責任問題が発生しかねません。

建築主から委任されて設計を行う優秀な意匠設計者にとっては、専門的な仕事を他者に割り振ることも仕事のうちの一つとなります。設計業務が「意匠」「構造」「設備」と専門的に分業されているように、「省エネ計算」ばかりを専門的に担当してくれる専門家がいてくれると心強いものですし、慣れない作業に費やされるはずのその貴重な時間をもっとクリエイティブな作業に充てることもできます。設計料が安いからといって自社で慣れない作業をして責任を負担するより、省エネ計算を代行したい旨を建築主に相談してみるなどすることで、より自由な設計作業が可能になることもあるはずです。

省エネ計算サービス」は意匠設計者の立場で、設計者の強い味方となる代行業務を心がけています。経験上、意匠設計者の抱える事情を汲み取れる自信がありますので、まずはぜひお気軽にご相談ください。

(以下、2019年(令和元年)11月加筆)

記事を作成してから2年が経ちましたが、初めて計算に挑戦しようとする方にとっての方法に変化はありません。計算方法やWEBプログラムに若干の変更などはありましたが、一次エネルギー消費量の考え方が初導入された時のように強いインパクトのある変更はありません。令和元年の改正により、2020年(令和2年)4月頃から集合住宅用途の計算が多少簡略化されたり、小規模建物のプログラムが追加されたりするようですが、初めて計算する人にとっては選択肢が増えることによって複雑に感じて混乱してしまうということもありそうです。

また、シンプルなトップページも全く雰囲気は変わっていません。とある時期から、住宅用のWEBプログラムにイラスト付きの表紙がついたくらいでしょうか。初見ではシンプルすぎるページも慣れてくれば、むしろ使いやすくて肯定できるようになります。

またこの記事を作成してからも2年の間で、多くの設計者が自分で計算を実施し、届出で行政や判定機関からの指摘対応に追われた経験があるかと思います。同じ規模で同じ用途の建物ばかりを担当している場合はそれなりに慣れていくものですが、複数の人脈などから多種の設計事案を任される場合、その度に対応する必要があるというのも変化はありません。

そして、2年前にも書いたように、この計算業務を他社に割り振ることで、本来するべき仕事や、自分にとってやりがいのある仕事に注力できるという意味合いにも、2年経った現在も全く変化はありません。インターネットで繋がる現代や将来、複数人で分業化し、自分の得意分野を活かし合いながら協力していくような組織形成がさらに進んでいくのは必至だと感じています。