非住宅用途における評価方法

標準入力法とモデル建物法

平成29年4月1日より、非住宅部分の床面積が2000㎡以上の建築物を新築等する場合は、その建築確認に際し、所管行政庁又は登録省エネ判定機関による省エネ適合性判定(建築物エネルギー消費性能適合性判定)を受ける必要があります。

その場合(非住宅用途)の評価方法として現在のところ、主に2種類の計算方法が用意されています。それが「標準計算法」「モデル建物法」と呼ばれるものです。

これまで通常はその名の通り「標準計算法」を用いて計算をしていましたが、設備機器や全ての部屋の室容積などを入力する必要があるなど、結構な労力を要するものであったため、設計従事者や審査者から常に簡略化した評価方法が求めらていました。そこで、旧省エネ法において「簡易計算法(ポイント法、簡易なポイント法)」という簡易な評価方法が使用可能になって浸透した後、一次エネルギー消費量の概念が登場した平成25年基準改正時に「モデル建物法」が開発され「ポイント法」からの進化を果たしました。

これらの簡易な評価方法は5000㎡未満の建物にのみ使用できるという制限がありましたが、平成28年基準の改正時にはその制限が撤廃され、全ての非住宅用途の建物でこの評価法が使用できるようになりました。

適合性判定に係る審査所用時間の比較(モデル建物法と標準入力法)

国土交通省:建築物省エネ法に基づく基準の整備に ついて https://www.mlit.go.jp/common/001103748.pdf

「モデル建物法」というのは、建物用途毎に建物形状や室用途構成などを決め打ちしてしまい(これを「モデル建物」という。)、このモデル建物に対して、評価対象建築物の外皮や設備の仕様を適用した場合の PAL *及び一次エネルギー消費量を算定して評価を行うものとされており、その計算ロジックについては独立行政法人建築研究所のホームページにて公開されています。

入力する項目がそれほど多くないため、これだけで環境性能が計測できるのか?という不安がありますが、「モデル建物法」が開発されたことは設計者や審査者にとってとても喜ばしいことです。2種類の評価法のうち、どちらを用いるかというと制限のなくなった「モデル建物法」がだんぜん利用されていくことになると思いますが、「標準入力法」での入力の方が詳細な結果と若干高い性能値が期待できるというメリットもあるため、使い分けが必要になる場面もあることと思います。

標準入力法とモデル建物法の特徴比較

国土交通省:建築物省エネ法に基づく基準の整備に ついて https://www.mlit.go.jp/common/001103748.pdf

また、つい先日のプログラム更新では「標準入力法」で計算したデータを「モデル建物法」のデータに変換できるツールが追加されました。今後は「標準入力法」に比べ労力のかからない「モデル建物法」での評価方法が標準化されていくということの現れだと思っています。