省エネ法の変遷
省エネ関連の法規制の背景とは?
旧省エネ法が制定された背景は1979年 (昭和54年)の第2次オイルショックに遡ります。それまで無限に使われていた石油資源が有限なものと世界中で理解され、エネルギーの無駄遣いをなくす目的で制定されました。
これは主に工場のエネルギー消費に節約を求めたものであり、建築物については省エネのガイドラインを示し努力義務が課されたものでした。
その後、地球環境問題が世界的な関心事になると省エネ法は、地球環境問題の観点を踏まえたものに改正され、1997年(平成9年)に「京都議定書」が採択されると温室効果ガス排出量削減が主な目的となりました。さらに年を重ね「改正省エネ法」が制定される度に規制や基準が強化され続け、工場をはじめ、自動車や家電製品など省エネ性能が高まっていくことになりました。
建築部門では2003年(平成15年)から2,000㎡以上の建築物の建築主に対し省エネ措置の届出義務が始まり、2010年(平成22年)になると300㎡以上の建物にも届出義務が拡大しました。
そんな中、2011年(平成23年)に発生した東日本大震災を契機にエネルギー政策の見直しが加速し、その結果2013年(平成25年)に大幅な改正をしました。この改正で「一次エネルギー消費量」の算定が導入され、計算要領がいままでと大きく変化しました。
その流れから2015年(平成27年)7月に「建築物省エネ法」が公布され、「省エネ法」から建築部門のみが独立するのですが、これは2015年(平成27年)11月のCOP21により採択された「パリ協定」を見据えた基準を想定しており、建築部門の省エネをより加速して強化させる意味が含まれています。