施行日前後の適用について

2020年1月31日

施行日と届出のタイミングに注意

建築物省エネ法の規制措置施行日である2017年(平成29年)4月1日まで残り2ヶ月をきりました。3月31日までは「現行省エネ法に基づく届出」となっていますが、施行日である4月1日を境に多くのことが変化します。大きな変化として「省エネ基準適合の義務化の開始」であることはもうすでに多くの設計者の共通認識となっていることと思います。「まだ省エネ基準に適合しているか検討していない」とか、「新法の対応で手続きに時間がかかりそう」などと不安をお持ちの方もいるかと思います。

そこで、現在設計中の建物で届出を検討している方はどのタイミングで届出を行うのがいいのか見てみましょう。

施工日前後の省エネ基準適合義務の適用関係
国土交通省:建築物省エネ法の概要説明会テキスト http://kentikubutsu-shoeneho.gio.filsp.jp/201607/pdf/text/shoene_gaiyou.pdf

まず大前提となるのは、3月31日付けまでの届出については現行省エネ法の基準適用となるため、適合義務の対象とはならないということです。これは確認申請の受付日が前でも後でも変わらないようです。とはいえ、着工の21日前に届出をするのが原則なのは変わりません。4月1日に着工予定だという場合にはその21日前に届出を行うので、時に注意は必要ありません。

しかし着工予定日が4月下旬以降という場合は要注意です。確認申請を出すのが4月1日を過ぎると、通常は適合性判定の手続きが必要になります。ただし、必ずしも確認申請のタイミングと合わせる必要はないため、省エネ法の届出だけでも先行して行うことができます。その場合、確認申請の受付日が4月1日を過ぎていても省エネ法の届出は済んでいるものとみなされるので、適合義務はなくなり、不安も少しは解消できるでしょう。

とはいえ、省エネ法の届出を先行して行うにも計算に必要な最低限の図面は完成している必要があります。届出後の軽微な変更はある程度融通がきくと思いますが、確認申請まで設計や仕様変更が自由にできるというわけではないので、この場合でも早めに設計を固めてしまうことが重要です。