謹賀新年:2018年
新年あけましておめでとうございます。
昨年2017年(平成29年)は建築物省エネ法の完全施行年となり、新しく「省エネ適判」が導入され特定建築物の省エネ基準への適合義務が開始しました。新法への移行と省エネ適判の導入にはさほど大きな混乱もなく、建築業界に認知され徐々に浸透しているように感じています。
省エネ計算の代行専門サービスとして昨年開始した「省エネ計算サービス」も、おかげさまで多くの設計者様のお力になれたことを自負し、感謝しております。実際に代行業務を行う中で行政指摘や設計者のご要望をいただきながら修正と改良を重ね、納期と価格にご納得いただけるサービスとしての完成度をあげており、今後も制度上の変更などに柔軟に対応していく所存です。
さて2014年(平成26年)に閣議決定された「エネルギー基本計画」のなかでは、2020年(平成32年)までに新築住宅・建築物について段階的に省エネルギー基準の適合を義務化するという政策方針が発表されていますが、2020年(平成32年)となる2年後までの細かい段階的なスケジュールについての情報は未だ公表されていません。
現在のところ2018年度(平成30年度)から開始する制度上の変更などのアナウンスがないため、昨年度同様の制度が継続するものと考えているのですが、今後は住宅用途の基準適合義務化や300㎡未満の建物についても届出義務が始まってくるのと同時に、省エネ性能のより高い新たな基準が制定されるものと理解しています。とはいえ2020年(平成32年度)まであとわずか2年。本当にそんなことになるのか半信半疑でいるという方も多いのではないでしょうか?
実際に共同住宅の省エネ基準適合率は現状で高いとはいえない状況のようですし、300㎡未満の建築物に限っては届出の義務すら始まっていないような状況です。そんな中で約2年後、急に全ての建物の省エネ基準への適合義務を求められても現場が混乱するのは目に見えています。
とはいえ、これは建築物省エネ法関連に限らず、誰も未来を予測できないという意味ではどの業界、どの分野でも同じことでもあります。先のことをあれこれと悲観的に考えすぎて身動きがとれなくなるより、世の中の流れを敏感に感じ臨機応変に対応する能力が現代を生きる上で重要だと考えています。
これまでのことを考えてみても制度上の更新に伴って省エネ計算の手順や計算方法などが大きく変わることがすでに普通なのですから、この混沌とした状況を日々楽しみながら「省エネ計算サービス」の充実を図ります。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。